
この2チームは互いによく知る間柄だ。1993年以降、プレーオフでの対戦は今回で9回目となる。昨年は、戦力が崩壊していたニックスをペイサーズが第7戦で下した。今年のニックスはより健康で、ミケル・ブリッジズとカール アンソニー・タウンズも加入し、今度こそリベンジを狙う。 ここでは、どちらに優位性があるのか、また両チームの鍵となる要素を見ていく。
ニックス対ペイサーズの予想
「NBAは3ポイントショットを打ちすぎだ」と感じているなら、このシリーズはあなた向きだ。レギュラーシーズンにおいて、ペイサーズの3ポイント試投率でリーグ21位、ニックスは28位だった。 ペイサーズはコート全体から得点でき、ニックスはペイント内で相手を圧倒する。両チームともシュート力に優れており、非常に見応えのあるシリーズになるはずだ。 昨年の東地区準決勝、ニックスは負傷者続出により崩壊した。今年はやや健康だが、ジェイレン・ブランソンは右足首をまだ痛めている。彼とタイリース・ハリバートンは、プレーオフ中に交互にクラッチタイムで輝いてきた。となれば、終盤戦の緊迫感は必見だ。 ニックスはファーストラウンドでデトロイト・ピストンズを6戦で退けた。セカンドラウンドではセルティックスに対して3勝1敗のリードを築き、第4戦終盤のジェイソン・テイタムの負傷で、セルティックスの反撃の芽も完全に絶たれた。 とはいえ、レギュラーシーズンでは勝率5割以上のチームに対して15勝23敗と大きく負け越しており、「本当に強豪に勝てるのか」という疑念は残る。セルティックス戦の3勝もすべて14点差以上のビハインドからの逆転だった。 ニックスの勝因は、毎試合見せる驚異的なハッスルだ。ジョシュ・ハートはルーズボールに全力で飛び込み、OG・アヌノビーとミケル・ブリッジズは試合の大部分に出場し、終盤に全力を注ぐ。そして、ブランソンはNBAでも屈指のクラッチプレイヤーとなっている。だが、同じようにハードに戦うペイサーズを相手にしたときにどうなるのか。 最終的に、我々はペイサーズに軍配を上げる。シーズン序盤はハリバートンのケガで苦しんだが、今は絶好調だ。レギュラーシーズン終盤は40勝17敗、プレーオフでは8勝2敗と圧倒的な結果を残している。ディフェンスもシーズンを通して向上し、パスカル・シアカムやハリバートンをはじめ、ロールプレイヤーたちもプレーオフでステップアップしている。 ペイサーズは選手層、コーチング(トム・シボドーへの敬意を込めつつも)、そして健康面でニックスを上回っている。これらがこのシリーズでわずかながら優位性を与える。・2024年10月26日:ニックス 123-98 ペイサーズ ・2024年11月11日:ペイサーズ 132-121 ニックス ・2025年2月12日:ニックス 128-115 ペイサーズ 第1戦では、ハリバートンがキャリア最悪級のパフォーマンス(ショット8本全て失敗の無得点)。当時は背中のケガに苦しんでいたが、第2戦ではそれを乗り越え35得点、14アシストをマークして勝利をもたらした。 第3戦ではアヌノビーとマイルズ・ターナーが欠場。タウンズとハートが合計70得点を記録し、ニックスが全てのクォーターでペイサーズを上回る快勝を収めた。
ニックス対ペイサーズ注目ポイント:
・ペイサーズのディフェンスは通用するか? ニックスは補強により明確に戦力アップしているが、ペイサーズも内部成長を遂げている。昨季はディフェンシブ・レーティングでリーグ24位だったが、今季は14位に上昇。 プレーオフではさらに守備が強化されており、オフェンシブ・レーティング10位のバックス(ただしリラード欠場あり)とNBA歴代2位のオフェンシブ・レーティングを記録したキャブス(主力多数欠場)を相手に、どちらも平均以下の得点に抑えている。 ニックスのオフェンスはブランソンに大きく依存しており、彼を止められるかが鍵となる。ペイサーズにはアンドリュー・ネムハードという優れたポイント・オブ・アタック・ディフェンダーがいるが、ブランソンは過去にそのマッチアップで優位に立ってきた。 よりフィジカルなディフェンダーであるアーロン・ニスミスの起用も考えられる。彼の方がやや抑えられているが、それでもブランソンは高得点をマークしている。 誰をマークに付けるにせよ、ペイサーズ全体の集中力が求められる。 ・ニックスはペイサーズを止められるか? ペイサーズが勝つスタイルは明白で、NBA随一のトランジションオフェンスを誇る。このアドバンテージは通常プレーオフで減少するが、ペイサーズは例外で、全てのポゼッションでこのスタイルを貫くため、対策しても完全に封じるのは難しい。 ニックスも速攻を使うが、基本的にはスローなテンポのオフェンスを好む(ペースはリーグ26位)。ゆっくりした展開はニックスに有利に働く。 シボドーHCはおそらくリーグで最も要求の厳しいヘッドコーチだ。ニックスはレギュラーシーズン中、速攻からの失点をリーグ10位に抑えていた。ただ、プレーオフでは選手たちの極端な出場時間による疲労の影響もあってか、このディフェンスがやや低下している。
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